~袋帯の誕生から基礎知識も!帯の歴史について~
こんにちは!こだわりきもの専門店キステです。 今では礼装用の帯といったらコレ! というくらい、着物を着る人には馴染みのある袋帯。 こんなに馴染みのある帯なのに、調べて見ると、意外と知らないことが有りました! というわけで、今回は袋帯についてお話したいと思います。 ▼今までの「いまさら聞けない豆知識シリーズ」はこちら▼
実は生まれが定かではない!?袋帯の誕生
今では当たり前のように存在する袋帯。 こんなにも馴染んでいる帯なのに、実は誕生については諸説あります。
その1:戦争後の物資不足から誕生した
1939年、第二次世界大戦が開戦しました。 1945年、敗戦後に待っていたのは物資不足。 そんな中作られたのが、「表」と「裏」が存在する、今の袋帯と言われています。
その2:丸帯を主に使っていた花街から誕生した
出典:http://www.arukumachikyoto.jp/static.php?page=ichioshi/kagai&lang=ja
舞妓や遊女など、丸帯のイメージが強い花街。 昭和初期頃に「重くて締めにくい」という理由から考案され、次第に一般へと広がっていったとの説があります。
その3:時代の流れによる軽装化の流行によって誕生した
丸帯の「軽装化」のイメージの強い袋帯。 その出現の時期は、実は名古屋帯とほぼ同じ(大正末期)。 簡単に結べるということで誕生した名古屋帯とほぼ一緒に袋帯も現れた、ということは、服装の簡略化、軽装化の流れに乗って誕生したのではないか、と言われています。 どの説でも共通して言えるのは「丸帯は重くて結びにくいしコストがかかるから軽量化した」ってことですかね。
袋帯についての基礎知識
長さは約430cm~
袋帯の長さは、名古屋帯に比べるとだいぶ長めになっています。 礼装用に特化した帯なので、「二重太鼓」が出来る長さが標準となっています。
柄付けは主に六通柄
袋帯は、二重太鼓を結ぶように考えられているものが多いため手先部分とタレから胴回り一周分だけ柄のある六通柄となっています。
織り方で違う、袋帯の仕立て方
袋帯は織り方によって仕立て方が違います。
縫い袋仕立て
現在最も多く出回っているのがこの縫い方。 表面と裏面、別々に織り上げて両耳を縫って袋状に仕立てます。
片縫い袋仕立て
表面と裏面を合わせ16寸幅に織り上げ、半分に折って片耳を縫い合わせる仕立て方です。
本袋仕立て
表面と裏面を袋状に織り上げたもの。タレと手先の口部分だけかがって仕立てます。
フォーマル用とカジュアル用の袋帯について
袋帯は主に礼装用のものが多いですが、カジュアル用も存在します。 ここでちょっと見比べてみましょう!
フォーマル用袋帯
金糸をメインに用いて織られた袋帯。 めでたい席に使うことが多いため、吉祥柄のものが多いです。 西陣で織られた帯がメインとなります。
振袖用袋帯
礼装用は礼装用、でも、振袖に向いている袋帯。 上の礼装用で紹介した帯に比べて、色も鮮やかで柄も丸みがあって可愛い印象です。 桜の花など、花をモチーフにしたデザインが多いです。 >>振袖用袋帯を詳しく見る
カジュアル用袋帯
金糸をほとんど使わずに織られた袋帯。 幾何学や現代柄など粋な柄付けが多く、遊び心があるデザインです。 コチラは博多の袋帯。名古屋帯や半幅のイメージが強い博多ですが実は袋帯もあるんです。
コチラは一風変わったレースを用いた袋帯。 長さはしっかり袋帯なので、変わり結びを楽しめます。
こんなのもあります!絞りの袋帯
正絹の反物に絞り加工で辻ケ花を描いた袋帯。 織りの帯よりは格が低いですが、大胆に描かれた辻ケ花が格を上げ、訪問着などのセミフォーマルに使えます。
まとめ
いかがでしたか? 普段は綺麗だなーと漠然と見ている袋帯についての歴史ですが、調べていくうちにより愛着がわきました! これを読んでくださっている貴女にもこの気持ちが伝わると嬉しいです。 それでは次回もお楽しみに!!
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