~草履台や鼻緒、デザインの特色など、草履の作りを細かく解説!~
こんにちは!こだわりきもの専門店キステです。 みなさんは、草履バッグセットを品定めする際、どんな所に注目してアイテム選びをされていますか?? 華やかな帯地を使用したデザインだったり、金彩で描かれた豪華なものであったり、インパクトある柄やサイズが大きいものだったりと、多くの方が草履ではなく、バッグを中心にアイテム選びをされているのではないでしょうか? そんな方は、ぜひ草履にも目を向けてみてください! 実は、草履バッグメーカーさんって、元々は草履を専門で作られていた所も多く、バッグはもちろんですが、草履にこそ匠の技が組み込まれているんです! そこで今回は、草履や草履バッグセットを選ぶ際に、是非見て頂きたいところをご紹介したいと思います。 画像を用いて丁寧に解説していきますので、草履バッグセットはもちろんのこと、草履選びの際にもご参考にしていただけたら幸いです♪
草履台の枚数~高さについて~
一般的に礼装用草履は、かかとが高ければ高いほどフォーマル(格が高い)だと言われています。 そして、草履台の枚数が多いほど格が高くなるともいわれています。 綺麗に芯(草履台の枚数)を重ねるのは熟練の技術が必要とされるので、手間がかかっているという意味でも価値が上がります。 このように聞くと、「草履のかかとは高くて、草履台の枚数が多いものが良いもの」と思われがちですが、「重ねてあるから良い」「一枚芯だからダメ」というようなものではありません。 基本的に、かかとの高さは5~6cmのものが一般的で、あとはシーンに合ったお好みのデザインの草履をお選びいただければ大丈夫です!
「一枚芯」の草履
草履の芯が1枚の最もシンプルな作りの草履です。 華やかなデザインでかかとの高さもあるので、結婚式などの礼装用としてもお使いいただけます。
「一の二枚芯」の草履
つま先~かかとへ「通しで1枚芯」+「かかとに1枚芯」、合計2枚の芯が重ねられています。 ここから少し作りが複雑になってきますので、よーく目をこらしてご覧ください!
「一の三枚芯」の草履
つま先~かかとへ「通しで1枚芯」+「かかとに2枚芯」、合計3枚の芯が重ねられています。 通しが1枚に半月が2枚、というスタイル。 あまり背は高くなりにくく、半月を2枚入れることで草履の反りも自由になりやすい形です。
「二の二枚芯」の草履
つま先~かかとへ「通しで2枚芯」の2枚芯草履。
「二の三枚芯」の草履
つま先~かかとへ「通しで2枚芯」+「かかとに1枚芯」、3枚芯が重ねられています。
「三の三枚芯」の草履
つま先~かかとへ「通しで3枚」の3枚芯草履。
ペラ・半月
『ペラ』が入ることで、草履側面にスゥ~ッとラインが入り、上品で高級感ある印象になります。 また半月は、鼻緒と合わせた生地張りの芯などを重ねた草履台で、華やかさを演出してくれます。
芯と芯の間に一枚組まれたペラ
芯と芯の間、全てに組まれたペラ
鼻緒と合わせた生地張りの芯など、半月を重ねた草履台
草履台に張ってある生地の風合い・デザイン
草履の台の『天』『巻き』の部分に張られている生地のデザインや風合いもよーく見ると違いがあり、 『草履の本体』部分で面積も広く締めているので、見た目の印象も結構変わりますので、ここも是非チェックしてみて下さい。
艶やかなエナメル加工を施したスタンダードなデザイン
あえて艶を抑える事で、上品さを際立たせたデザイン
たたき入りのデザイン
箔が散りばめられた高級感漂うデザイン
天部分に型押しを施した隠れたお洒落のデザイン
ラメが入ったデザイン
鼻緒のタイプと装飾
使用されている生地の柄・色は目を向けるかと思いますが、鼻緒にもタイプや装飾の有無があり、 デザインはもちろん履き心地にも関わる部分ですので、こちらもチェックしていただきたい部分です!
二石鼻緒
通常1重の鼻緒が2重にかさねられており、見栄えも豪華で華やかさを増し、クッション性も高まるので足の甲への負担も軽減してくれます。
縁取りが入ったデザイン
鼻緒の側面に縁取りになる生地が縫い付けてありとても細かい作業が必要な技です。
二石風に生地が重ねられたデザイン
足を通した時に鼻緒自体のボリュームも増しますし、甲にあたる面積が広くなるので、負担を軽減してくれます。
まとめ
いかがでしたか? 草履や草履バッグセットを選ぶ際のポイントをご紹介いたしました。 柄や色などの見た目の印象や素材感などの全体のデザインを決めた後に、鼻緒や草履台の作りを注意深く見てみると、アイテム選びに深みが増し、より洗練度が高まると思います! ぜひご参考にして、お気に入りの逸品を見つけてくださいね!