こんにちは!キステの吉田です。 年も明け、寒い日々が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。 今日は、全国各地の「紬」をご紹介する第二弾♪ 紬ってどんな着物…?という方は、こちらで復習ができます。
岐阜・の代表的な紬
・郡上紬
岐阜・郡上市で織られている紬です。 農家の自家生産として織られていましたが、 戦後、工芸家の*宗広力三(むねひろりきぞう)が再興、 1952年に設立した郡上郷土芸術研究所(1958年~郡上工芸研究所に改称)で 意欲的に製作されています。 (*宗広力三…1982年紬縞織、絣織で国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。)
http://www.akariya2.com/kimono2009-1-4.html
郡上紬の大きな特徴は、なんといっても「柄の美しさ」です。 経緯の、色糸の組み合わせで縞や格子を織りだす「縞織り」。 予め染めた糸で、絣模様を出していく「絣織り」。 糸染めは全て天然草木染めであり、「どぼんこ染め」なる郡上紬ならではの染色手法です。 茜、苅安、阿仙、藍などを使い、何十回も繰り返し、繰り返し染めていき コクのある堅牢でかつ微妙な色糸を作り上げます。 「本物の糸を使い、本当の草木染めを行って、本当の織りを目指す」という信念を貫き、 春蚕しか使わないという糸へのこだわり、天然草木染めへのこだわりから、 一切手抜きをしない紬として広く知られる存在です。 着心地の良さも郡上紬の特徴です。 暖かさと柔らかさ、そして肌触りの良さが申し分ない織物といえます。 また、着るほどに深みとつやが増し、何代にわたっても受け継ぐことのできる逸品です。
鹿児島・の代表的な紬
・本場大島紬
先日のブログでも登場しました、大島紬です。
http://nonbiriamami.com/cn4/pg437.html 大島紬とは鹿児島・を主に、名瀬市を中心とする奄美産地と 鹿児島を中心とする鹿児島産地に大別される、伝統的先染絹織物です。 また、ペルシャ絨毯、フランスのゴブラン織と並ぶ 世界三大織物の一つでもあります。 *人気の白大島* 地色を白泥染などで白色のままにし、 更に絣糸を染色して、絣模様を出しているので 華やかな印象の紬でもあります。 また、地色を白にしているので 作り手は汚れや糸質、織り傷等に、より気を使う必要がある為 製反数も非常に少なく、希少なものになります。
http://www.akariya2.com/kimono2010-3-12.html
本場奄美大島紬の生産は、昭和47年あたりから減少傾向にあり 平成に入ると、その数も激減。 現在は、5000反前後の生産状況となっています。 (大正~現在の間、一番生産が多かったのは昭和17年の約358000反)
沖縄・の代表的な紬
・久米島紬
沖縄・久米島で織られる先染めの絹織物。 2004年に、国の重要無形文化財に指定されています。 別名、琉球絣とも呼ばれ、真綿から紡いだ手紬の糸を使用するものと 玉繭からとった玉糸を撚ったものとがあります。
http://www.kume-tumugi.com/
図案から糸紡ぎ、植物染料の採取、染め、織り、 仕上げまでの全工程を一人で行うことが多く、 同じような地色に同じような絣の柄でも、 組み合わせ方や色の出し方に、一人一人の個性がにじみ出るのが魅力です。 糸を染める染料は、テーチギ(車輪梅)、グール(サルトリイバラ)など 島に自生する植物で、濃い色には泥染めを併用します。 久米島紬の基本色は、黒褐色、赤茶、黄、鼠、鶯色の5色。 その糸で、鳥、雲、花、星など、約80種類の絣模様の中から いくつかを組み合わせて高機で織ります。 深みのある色、砧打ちによる生地のしなやかさと艶が魅力な逸品。 帯合せは、さらっとした塩瀬のようなものより 同じ沖縄織物の、花織や紬の紅型、黄八丈の織り帯などが似合いますね。
全国の代表的な紬をご紹介してまいりましたが お楽しみいただけましたか。 少しでも、興味を持っていただけましたら嬉しいです。 次回は、染めの着物や絹以外の先染めの着物をご紹介したいと思っています。 引き続きよろしくお願いします。