~丸帯とはどんなもの?帯に関する豆知識をご紹介!~
こんにちは!こだわりきもの専門店キステです。 今ではほとんど見かけることもなくなってしまった「丸帯」。 着用する機会も殆ど無く、持ってる人は少ないのではないでしょうか。 今回はこの姿を消しつつある「丸帯」について書いていこうと思います。 ▼今までの「いまさら聞けない着物豆知識シリーズ」はこちら▼
丸帯の誕生
江戸時代中期に誕生した女帯の一種で、戦前までは最も格式の高い第一礼装用の帯として用いられてきました。 しかし戦後、袋帯が考案されると次第に廃れ、現在では白無垢・黒引き振袖・打掛・色打掛といった婚礼衣裳や舞妓の衣裳として用いられる程度となりました。
出典:https://rlx.jp/magazine
出典:http://www.bridal-kameya.com
丸帯の特徴
パッと見た感じは「袋帯」とほとんど一緒ですが帯地の織り方と仕立て方が違います。
幅広の帯地を「片縫い袋」で仕立てします
幅広に織り上げた帯地(約70cm)を二つ折りにして袋状にする形で帯を仕立てます。 現在の袋帯と違い両面ともに同じ柄が入るのでとても華やかです。
出典:http://kimonolife3999.naganoblog.jp
両面ともに表面~重くて分厚くて結びにくい
幅広で織り上げるということは、表も裏も関係なく、現在の袋帯の表面が両面にくるということになります。…となると、袋帯を「二本」持っているのと同じようなもの。 とても重たく、さらに分厚く結びにくいことが想像できますね。
長さは約4mと短め
丸帯の長さは今の袋帯と比べると長さがだいぶ短く、今の袋帯とは結び方が違ったそうです。 いろいろ調べたところ「一重太鼓でOK」とか「2重太鼓じゃなきゃダメ」とか、いろいろ出てきました。 昔は今ほど堅苦しく考えていなかったんでしょうか(笑)
なぜ丸帯は廃れてしまったの?
丸帯が誕生した江戸時代中期、前回お話したようにお洒落が盛んになった時代でした。
出典:http://girlschannel.net
服装だけでなく女性の髪型も豪華なものへと変わっていき、通常の帯では目立たない、ということから両面ともに柄のある豪華絢爛な「丸帯」が誕生しました。 この時代の歌舞伎役者、上村吉弥が舞台で娘役に結んだ「だらり結び」は当時大流行したそうです。 戦後、時代の流れとともに「軽装」が流行。結びやすい現在の「袋帯」が作られるようになり、今では「花嫁衣装」や「舞妓」「芸者」が結ぶのみとなりました。 丸帯は「一人で結ぶもの」ではなく「誰かに結んでもらうもの」だったんですね。
▼せっかくなので、雰囲気で結んでみました!▼
今手持ちに半巾帯しかないので、なんとなくこんな感じ・・・?で結んでみました。 半巾帯だとあんまり可愛くないですね~。
↑コレはただたらしただけの、もっともだらり結びに近い形です。
↑たれが長いかな~と感じたので、二つ折りにしてみました。
↑だらりの長さを調節し、余った分を下から見せる形にしてみました。 コレは帯び枕あったほうが良いです。
まとめ
現在でもアンティークショップなどで丸帯は見かけますが、一般的な呉服屋さんではほとんど見ることは無いかと思います。 私の母も持っていたそうですが、丸帯では使いにくいとのことで、半分に切って「袋帯」2本分にして仕立て直したそうです。 一般的に普及はしなくなってしまった帯、それが今の丸帯の姿のようです。 それでは次回は袋帯についてです☆ お楽しみに! >>正絹袋帯や名古屋帯、ポリエステルの半幅帯など未仕立てからお仕立て上がりまで!こだわりきもの専門店キステの帯はこちら