あい[藍]
古代より「用いられている植物染料です。主に蓼藍と山藍の2種類が栽培されています。一般には蓼藍を指す。徳島・が主な生産地で阿波藍とも呼ばれます。自然の独特の色合いは、科学染料では味わえない為珍重されています。摩擦には弱い。
あいがた[藍型]
沖縄・の型染の一種です。「紅型」に対して、藍一色で染められる事から、この名称となっています。型紙、柄付け等は紅型と同じ傾向にあります。浸染にて染られる。「えーがた」と読む。
あいがめ[藍瓶]
染色用具の一つです。藍壺とも呼ばれ、藍液を発酵させる為に用いる陶器の瓶。
あいぎ[合着]
夏物と冬物の中間の時期に着る衣服をいう。
あづまコート[吾妻(東)コート]
和服用女性コートの一。明治中期~大正年間に防寒・防雨・防塵用として東京地方で流行したので、この名になる。
あてぬの[当て布]
アイロンがけの際使用する布。布地が焦げないようにする為、布地の上に置いてアイロンを当てる。あてぎれともいう。
あとべら[後標]
先標が縫う前に全ての標をし終えておくのに対し、後標は縦べら(丈べら)だけを先にして、縫いながら次々に次の幅べらを当たって行くへら付けの方法。先標は関西式、後標は関東式と言われる事もある。
あまコート[雨コート]
雨天外出時に長着が濡れないよう着用するもの。多くは単衣に仕立てるが、普通の単衣コートと異なる点は、着丈は対丈で長襦袢丈+2㎝(5分)、また前上がり2cm(5分)をつける。昔は朱子地が多かったが、防水加工によって殆どの生地が用いられる。
あらいはり[洗張り]
和服の洗濯の方法で、解き洗い仕上げには、伸子張り・板張り・湯のしの3種がある。木綿物や水に縮まない絹物は板張りが適す。濡れると縮む縮緬、お召しに適すのは伸子張り。染物屋が洗い張り屋を兼ね、これを関西では悉皆屋という。
あらだち[荒裁ち]
地直しのすんだ反物を寸法に合わせて裁ち切り寸法で裁ち分ける事。へら付け前の和裁の一工程。
あわせ[袷]
表地に裏地を縫い合わせた着物。袷長着、袷羽織、袷長襦袢、等がある。裏は一般的に男物は通し裏、女物は胴裏、裾回し(八掛)に仕立てる。地方の気候により着用時期は異なる。
あわせばかま[袷袴]
袴の一種。裏を付けた袷仕立ての袴。昔は多かったが、現在では日本舞踏の衣装等特殊なものは別として殆ど見ない。
あんさんぶる[ensenbli]
和服の場合は1対である事を意味するフランス語。和製英語風にA.S.と略する場合も有るが、本来は誤り。普通は長着と羽織。又は長着とコートの対をいう。