こんにちは。 こだわりきもの専門店Kisste(キステ)のヨシダです。 お着物の種類について数回にわたりお話をしておりましたが 今回の主役は「紬(つむぎ)」です。 とってもたくさんの種類がありますので その中からピックアップしてお伝えします。
◎紬(つむぎ)とは?
紬糸を使った、先染めの織物を「紬」といいます。 *真綿から糸を引き出して手織り機で織られるものや、 大島紬のように、生糸を使っておられるものもあります。 (*真綿…繭を煮て柔らかく広げたもの) 織られる地域によって様々な特色があり、 多くは縞や格子柄、絣柄を組み合わせて模様を織り出しています。 昔は、「どんなに高価でも紬は普段着」とされてきましたが 洒落着として人気が出てからは、絵羽模様のものは準礼装としても用いられます。
有名な紬
◇大島紬(おおしまつむぎ)産地:鹿児島・大島郡
艶感のある、軽い肌触りが特徴です。 「泥大島」 「泥藍大島」 「草木染大島」 「白大島」 など種類も多く、また根強いファンも多くいます。 模様は「蘇鉄」など、島の自然が絣で表現されています。 染料となるのは「*車輪梅」といわれる植物。 (*地元では「テーチギ」と呼ばれ、春に梅のような白の花が咲きます。) 何度も染料につけ、またその糸を泥田につけ揉み込むことにより 堅牢で美しい風合いとなるのです。 元々は普段着だったものが、お洒落着へと格が上がり、 最近では付下げや訪問着まで織られています。
◇牛首紬(うしくびつむぎ)産地:石川・石川郡白峰村
釘をひっかけても破れずに、釘の方が抜けてしまうほど丈夫といわれ 「釘貫紬」とも呼ばれています。 大変丈夫で、張りのある風合いが特徴です。 元は「麻」が主に使われていましたが、 明治の末頃から「絹」の紬が増産されるようになりました。 特徴は、やはり「*玉繭」を使用すること。 (*玉繭:二匹の蚕が1つの繭を作り上げたもの。大きく丸い。) 真綿から糸を引くのではなく、玉繭から直接手作業で糸を紡ぐため 熟練の技術が必要となります。 昭和63年には、 「定められた製法で100年以上継続して作られるもの」だけに与えられる 「国の伝統工芸品」に指定されました。
◇結城紬(ゆうきつむぎ)産地:茨城・結城市
紬の代表格ともいえる、結城紬。 真綿から撚り出した糸で織るため、ふわっとした肌触りで暖かく、 多彩な色遣いが特徴です。 中でも、重要無形文化財の保持団体による高い技術で織られた 「本場結城紬」は、着るほどに体になじむ憧れの逸品です。 1枚の結城紬を織り上げるためには、長い月日がかかります。 着物1枚に必要な真綿の数は、およそ350枚。 熟練者でも糸を撚るのに3か月もかかります。 柔らかく、体になじむため、着崩れしにくいのも人気の理由です。 *** 紬の魅力、少し伝わりましたでしょうか。 次回は地域ごとの、紬のいろいろをご紹介します! お楽しみに。