~留袖の柄や文様の意味など、着物豆知識をご紹介!~
こんにちは!こだわりきもの専門店キステです。 さて、前回は水辺に鶴、雲に梅文など、美しい情景が描かれた留袖の柄とその意味をご紹介しました! 今回は、留袖を変えて第2弾!留袖によく見られる柄と、その由来や意味をご紹介します~! ひとつひとつの文様をじっくり見ると、やっぱり着物っていいなあ、、と思うはず。 みなさんも一緒に探してみてくださいね!
豪華な模様がいっぱい!
今回の例はこちら。 いろんなデザインが配置されていて、華やかながら大人の雰囲気ですね~! たくさん文様がありますが、さて、いくつ見つけられるでしょうか?
留袖は、1枚の着物の中にたくさんの縁起の良いモチーフが描かれています。 さて、ひとつずつ紐解いていきましょう!
桜の文様
左斜め下あたりに描かれているのは、桜の模様。 花弁の先が2つに分かれています。 国花であり、昔から愛されてきた日本を代表する花ですが、実は平安時代より前は、「花」といえば桜ではなくて梅を指しました。 平安時代に、その花が散る風情や儚さが貴族たちに好まれるようになり、本格的に庶民の文様として定着したのは江戸時代以降。 意外と最近(?)の話ですよね。 桜の咲く季節から「春しか着れない!?」と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。 写実的に桜がメインとなっている柄行きは春を意識したものもありますが、上の写真の様な入り方をしている場合は、通年着てもまったく問題なし!です。
牡丹(ぼたん)の文様
牡丹は中国の唐の時代に、「富貴」の象徴、そして「百花の王」として人気を博した文様です。 日本では平安時代の後期から意匠化されますが、異国的な雰囲気が独特で、人気が出たのは江戸中期以降とのこと。 季節は春、夏、冬に咲く牡丹がそれぞれあります。 「秋は着れない!?」いえいえ、写真のように牡丹柄がメインでないもので、着物に華を添えているような状態なら、通年OKです。
若松(わかまつ)の文様
松は常緑樹、そして長寿の樹であることから「常盤木」と呼ばれ、昔からおめでたい文様として使われてきました。 松の文様といえば、笠のような形のものを思い浮かべる方も多いのではないかと思います。
THE・松文。 松はその葉や実(松ぼっくり)の形の面白さから、いろんな形態のものがデザインされているんです。 今回の留袖に描かれているのは、松葉の先に新芽がついた「若松」。 これからぐんぐんと成長する、お祝いのお席にぴったりの文様ですね。
鶴丸(つるまる)の文様
ぱっと目につくおめでたい柄、鶴です! 「ツルは千年、カメは万年」と言われるように、鶴は長寿の象徴として尊ばれました。 日本に入ってくると、その優雅な姿は日本人に殊に好まれ、吉祥文様の中心的存在として愛されてきました。 羽を広げて丸くなったのが「鶴丸文様」。 上の写真の柄は、写実的な鶴というよりはデザインの一種として配置されていますね。
雁行(かりゆき・がんこう)の文様
雁という名の渡り鳥は、秋に日本にやってきて春になると北に帰っていく習性があり、写真のように連なって飛ぶ姿が文様としてよく使われます。 良い知らせを運んで来てくれる鳥とされており、おめでたい文様のひとつです。
地紙(じがみ)の文様
扇は日本で創られたもので、別の名を「末広」。末広がり、という言葉通り、おめでたい文様のひとつです。 扇に貼る、紙の部分だけの文様を「地紙」といいます。 地紙には美しい文様が描かれますが、今回の場合は、紙に平面で描かれたものではなく、立体的な牡丹が配置されていますね。
檜扇(ひおうぎ)の文様
扇にもさまざまな種類があります。 この「檜扇」は、薄い木板を重ねて糸で繋いだもので、平安時代、晴装束の際に貴族が持ったアイテムです。 江戸時代、人々の間に平安時代という古き良き時代に憧憬する気持ちが生まれました。 そこから、王朝時代をイメージさせるモチーフそのものにも吉祥の意味合いを持たせる流れになったようです。 華やかで上品、優雅なその暮らしやデザインに憧れる気持ちもわかる気がします。
まとめ
いかがでしたでしょうか? お手持ちの着物に何が描かれているか、探してみるのも楽しいですよ!