黒留袖・色留袖を着る時に必要なものまとめ!きもの着用時のマナーと知識
ご家族のご結婚式やお子様の行事など、お祝いの席で着物を着るという人も多いのではないでしょうか?
洋装に比べて和装は必要な小物も多く、さらには場面に合わせた装いも求められます。
今回は黒留袖・色留袖を着るときに必要なものを一式ご紹介したいと思います。
特にお祝いの席で着る黒留袖や色留袖は非常に格が高く、他の着物以上に細かいルールが存在しますので、最後までお見逃しなくポイントをチェックしてくださいね。
留袖を新調する方はもちろん、すでにお持ちの方やレンタルでご用意される方も必要なものが全て揃っているか一緒に確認していきましょう!
目次
着物の下に着るもの・補正に必要なもの 【黒留袖・色留袖に必要なもの・小物】
着物はどれもそうですが、いきなり素肌の上から着るというわけではありません。
そんなことをするとせっかくの着物が汗を吸い、傷んでしまう原因となります。
それを防ぐためにも必ず着物の下には肌着を着用します。
一般的な肌着は上下が分かれており、上半身に肌襦袢を着用した後に、腰のあたりから裾よけ(すそよけ)を巻き付けるというのが基本です。
この上下が分かれているタイプが面倒だという場合には、ワンピースのように上下がつながったものもありますよ。
着替えがとても楽ちんになります。
和装ブラと肌着と裾除けが1着で整う、とても便利なアイテムです。
着付けにはフェイスタオルも必需品です。
着物の美しい着姿のためには体の凹凸をなくした寸胴な体型が理想です。主に胸元と腰回りにフェイスタオルを巻いて体型を補正します。
フェイスタオルはできれば温泉でもらうような薄手で柔らかく、白や色の薄いものを、大体5枚くらい用意しておくと心配ないと思います。
足袋も着物姿には重要なアイテムです。
留袖を着用するような正礼装では、必ず白色の足袋を着用しましょう。
サイズは靴のサイズよりも0.5センチ小さめからぴったりサイズを選ぶのが基本です。
足袋にもいろいろあって、靴下みたいに履けるような足袋もありますが、留袖の場合には「こはぜ」というフックがついた足袋を選びましょう。
4枚こはぜ・5枚こはぜの足袋であれば完璧です。
そして肌着・足袋を着用し補正が完了したら、次は長襦袢というものを着ます。
長襦袢は足捌きを良くして、汗や皮脂汚れから着物を守る役割があります。
また長襦袢は人に見えるものであるため、その場に合わせた色や柄の選び方に注意が必要です。
結婚式などのフォーマルな場面、特に新郎新婦の母親が着る黒留袖や、それと同格の色留袖は礼装なので必ず白い長襦袢を着用します。
また長襦袢には必ず半衿を縫い付けておく必要があります。
これも人に見えるものになりますが、こちらも黒留袖や色留袖を着る際には白色の半衿を選ぶのがマナーです。
白の無地の半衿が最も一般的で、白地に金銀白色の刺繍が入ったものを選ぶこだわり派の方もいらっしゃいます。
せっかくのお祝いの機会には、まっさらな気持ちで臨むためにも、新品の半衿を付けることをおすすめしています。
長襦袢の衿には衿芯を入れることも忘れてはいけません。
衿芯は美しい衣紋の抜きを形どるのに必須のアイテムです。
つるつるした衿芯もありますが、表面が綸子調の衿芯のほうがズレにくく、美しい首元を演出してくれます。
留袖の着付けに必要な小物 【黒留袖・色留袖に必要なもの・小物】
次に着付に必要な小物をご紹介します。
まずはこちらの腰ひもです。
これは着付けを始めてから帯結びまでに何度か登場する必須アイテムです。
着物を固定するのに巻くだけでなく、帯結びでは仮紐としても使うことがあります。
どれだけ必要かは個人差がありますが、大体3本ほどあれば安心して着られると思います。
腰ひもは「モスリン」というウール素材や、綿などの天然素材が多く含まれているものが、締まりやすく汗も吸ってくれるのでおすすめです。
着付け便利グッズであるコーリンベルトも、昨今では襟元を綺麗に決めるための必須アイテムです。
両端のクリップで着物を挟んで留めることで、衿元の着崩れを防止できます。ゴム製ベルトでアジャスター付きなので体型に合わせて伸び縮みし、体を締め付けることなく着用できます。
腰ひも・胸紐を使って衿元をきめる方もいらっしゃいますが、締められるのが苦手な方はゴム製のコーリンベルトの方がおすすめです。
そして腰ひもと同様にベルトの役割をする伊達締めですが、これは腰ひもよりも太さがあるため、着崩れをしっかり防止してくれます。
長襦袢で1本、着物で1本使用するので、伊達締めは合計2本あれば問題ありません。
伊達締めはなめらかなポリエステルのものはお手入れも簡単で肌触りもよいです。
きゅっとしっかりした締まり心地がお好みの方は正絹の伊達締め、苦しくなりにくいのが伸縮性のあるシャーリング伊達締めです。
いろいろあるので、どれでもお好みや予算に合わせて選んでくださいね。
次に帯板(前板)です。
帯の間に挟み込む薄い板で、前帯にシワができるのを防ぎます。
帯板にも様々なタイプがありますが、留袖では帯もピシっとしたいので、長めでしっかりした材質の帯板がおすすめです。
ベルトがついているもの・ついていないもの、どちらも留袖にお使い頂けます。
黒留袖や色留袖では袋帯を二重太鼓で結びますが、このお太鼓結びに欠かせないアイテムが帯枕です。
帯枕
留袖にはお太鼓の山に高さと膨らみをもたせるため、一般的に大きくて厚みのある帯枕を使います。
帯まわり【黒留袖・色留袖に必要なもの・小物】
留袖の帯まわりには 帯揚げ ・帯締め ・末広 があります。
帯揚げは帯の上辺を飾る布で、後ろでは帯枕を包んでいます。帯枕を隠して帯結びの形を整えるのが帯揚げの役目です。
帯揚げがちらりと帯の上から見えることで華やかで引き締まった印象になります。
半衿と同様に、留袖では帯揚げも白・金・銀以外の色は使わないため、留袖には白または白地に白・金・銀の縫い取り、総絞りのものを合わせます。
帯締めは帯元により華やかさをプラスし、帯結びをしっかり支えてくれます。
留袖では、白色に金銀があしらわれている帯締めを合わせるのが基本です。
この帯締めには様々なデザインがあります。
白と金銀しか色を使わない分、柄や紐の組み方で印象が変わるので、お好みの一本を選んでいただけたらと思います。
帯元に挿す末広(すえひろ)という扇子も、留袖の姿に必要です。
表が金紙・裏が銀色の扇子のことで、扇の形が「末広がりで縁起がよい」ことから礼装用の必需品となりました。
末広は扇子のように広げて使うのではなく、帯の間に垂直または内側に少し傾けて、金紙を正面に向けて挿して使います。
草履・バッグ・髪飾り【黒留袖・色留袖に必要なもの・小物】
留袖に合わせる草履とバッグは、金色・銀色を基調とした草履とバッグを使うのが一般的です。 草履は様々なデザインのものがありますが
礼装用の草履はかかとが高い方がフォーマルとされています。芯が重なっている草履は重厚感が出て格式高い印象になりますね。
バッグもコーディネートでは重要なおしゃれポイントになります。
トータルのバランスを見て草履とバッグがお揃いだと統一感がとれますし華やかな金銀に小ぶりなサイズ感というのがとっても上品な印象です。
また、格の高い留袖に何も付いていない髪型では少し寂しいですよね。
慎ましく上品な髪飾りも留袖姿には欠かせないアイテムです。
華やかなイメージがお好みの方にはパールコーム、
スッキリとした粋なイメージがお好み方にはかんざしがおすすめです。
結婚式の時は、花嫁を超えるような迫力のある髪飾りは控えるようにしましょうね。
あると便利なアイテム 【黒留袖・色留袖に必要なもの・小物】
必ず必要というわけではないけれど、あると便利なものにはどんなものがあるのか、いくつか紹介していきます。
腰ひもの代わりにウエストベルト1本追加で用意するのもおすすめです。
伸縮性があって、しっかり締まってくれるので、着付けで裾を合わせてウエストで固定するタイミングで使う腰ひもの代わりに最適です。
好みで選んでいただいたり、着付け師さんに相談してみるのも良いでしょう。
着物の時、お胸が帯の上に乗ると寸胴体型でなくなってしまい、太って見えたり、姿勢が悪く見えてしまいます。
それを避けるには洋服の時に付けるワイヤーやカップがついているようなブラではなく、和装用の下着をつけるようにしましょう。
和装ブラはバストのボリューム感を抑え、しっかりと補正することで凹凸が少なくなり着姿が美しく仕上がります。
和装ブラで胸元を整えることで衿元の着崩れも防ぐこともできるのでおすすめです。
この様に和装ブラ、肌着とたくさん用意するのが面倒な方にはスリップブラがおすすめです。
和装ブラと肌着と裾除けが1着で整う、とても便利なアイテムです。
締め付け感がなく女性の体に優しくフィットし、着上がりの美しさをより一層引き立ててくれまよ。
礼装用のバッグは小ぶりなサイズが多いのでハンカチ、スマートフォンやメイク直しのコスメ程度しか入れることができません。
荷物が入り切らない場合は和装用のサブバッグやお手持ちの上質なバッグをサブバッグとして用意しましょう。
会場内ではクロークなどに預けておけば大丈夫です。
着物を着るのに必要なものは意外とたくさんある
着物は必要な小物が多く、きちんと着るのもとても大変な装いです。
特に場面に合わせて格をそろえることも必要ですし、全部をそろえようと思うとお金もかかります。
しっかり準備しておかなければ、当日すぐに着崩れを起こしてしまうなどのトラブルも考えられます。
お祝い事で着るのであれば、準備漏れのないようにしっかりチェックをしながら用意することが大切です。
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