着物姿に欠かせない、「 帯 」。
でも帯には種類、格、合わせる着物など、ルールも多いと聞いて不安になることもありますよね。
今回はそんな帯の種類について、お話ししていきたいと思います。
着物初心者の方にはピンとこないかもしれませんが、
『着物一枚 帯三本』 や 『着物千両 帯万両』 と言われるほど
帯は着物にとって非常に重要な役割を持っています。
帯は着物姿の第二の顔と言われることもあるほど周りから注目されるポイントですので、
きちんと合わせることで、 「あらぁ!いい帯ねぇ」 「素敵なコーディネートねぇ!」
と褒めてもらえることもたくさんあるんです!
正しくおしゃれに着こなすには、種類だけではなく織り方や柄にもこだわりたいので、
一緒に勉強して参りましょう!
帯は大きく分けて3種類
現代、主につかわれる帯は大きく三種類あります。
【袋帯】 礼装用
【名古屋帯】 お出かけ用
【半幅帯】 普段着・浴衣用
着物はデザインや素材などでシーンによって使い分けが必要でしたが、
帯も同じように格やシーンごとに使い分けが必要で、むしろ帯のほうが着物の印象を大きく左右することがあります。
それでは、三種類の帯の特徴です。
「袋帯」フォーマルな帯
袋帯は、結婚式や披露宴などのフォーマルなシーンで着用し、
留袖 ・ 振袖 ・ 訪問着 などに合わせます。
留袖や振袖には必ず袋帯を締め、名古屋帯や他の帯を合わせることはありません!
留袖や訪問着は、おめでたい席での着用が多いので、めでたいことが重なるように…という意味も込めて 《二重太鼓》 という結び方で結ぶのが一般的です。
振袖もおめでたい席で着用いただく着物ですが、この場合は二重太鼓ではなく
《ふくら雀》 《文庫結び》 などの華やかな変わり結びで装います。
またあまり知られていないのですが、喪服として知られる黒紋付も、金銀の装飾が華やかな袋帯を合わせることで、おめでたい席の着物としても着用することができます。
かしこまった席で着用をいただく袋帯は重厚感があり、金糸銀糸がとても華やかな織物です。
見ているだけでうっとりしますね♪
フォーマルの袋帯として間違いないのが「織り」の袋帯です。
西陣織に代表されるような高級な絹織物の帯は格が高く、
格の高い着物である黒留袖や色留袖、訪問着に合わせて締められます。
また、織りの袋帯ほど流通する数は多くはないですが、「染め」の袋帯も存在します。
こちらは「織り」の袋帯よりも少し格が低いとされており、合わせる着物も最上格の「留袖」や「振袖」ではなく、準礼装に当たる「訪問着」「色無地」がおすすめです。
「袋帯」は、
黒留袖・色留袖・振袖・訪問着・色無地に合わせる格の高い帯で
礼装用・振袖用の「織の袋帯」と、やや格式ばらない「染めの袋帯」がある
というわけです。
「名古屋帯」おでかけ着の帯
名古屋帯は普段着やお出かけ用として着用されることが多く、カジュアルな場所や
お茶会や習い事などの少しかしこまった場面でも使われます。
袋帯と同じようにお太鼓結びを結ぶことが多いのですが、名古屋帯の場合は簡略化した《一重太鼓》 を結びます。
そのため袋帯よりは、少し短い仕様になっているのが特徴です。
(袋帯・・・4.3m 名古屋帯・・・3.6m)
また、仕立て方と仕上がりの違いとして「九寸名古屋帯」と「八寸名古屋帯(袋名古屋帯)」があります。
一般的に「名古屋帯」というと「九寸名古屋帯」を指すことが多いのですが、
それをさらに軽やかに簡略化したものが「八寸名古屋帯(袋名古屋帯)」として後から登場したわけです。
格としては、「九寸名古屋帯」>「八寸名古屋帯(袋名古屋帯)」となります。
名古屋帯は、色無地 ・ 付け下げ ・ 小紋 に合わせます。
紬 ・ お召 などのきちんと感があるカジュアルな着物に合わせるのもぴったりです。
名古屋帯には、ちょっと畏まったフォーマルなデザインの帯もカジュアルな雰囲気の帯もありますので、お召しになる場所は機会に合わせておしゃれにコーディネートしていただきたいと思います。
名古屋帯にも「織りの名古屋帯」と「染めの名古屋帯」があります。
「織り」では西陣織はもちろん、「博多織」の名古屋帯や「桐生織」の名古屋帯も多く流通し、それぞれ味わいと特長があります。
また、「染め」は塩瀬や紅型染め、手描きなど、「織り」とはまた違った印象の名古屋帯となります。
ぼかしの技法や手描きの細かな風合いなど、美術的な楽しみも大きいのです。
「織の名古屋帯」と「染の名古屋帯」とでは、「織の名古屋帯の方が格が高い」と紹介されることも多いですが、
「織の名古屋帯」でも遊び心溢れるカジュアルなデザインもありますし、
「染の名古屋帯」でも上品でフォーマルな雰囲気の帯もありますので、
織か染かで帯の格や合わせる着物やシーンを判断するよりも、その帯のデザインを見極めることの方が選ぶ上では重要でしょう。
「半幅帯」軽やかな日常着や浴衣に
半幅帯は、その名から連想する通り、袋帯や名古屋帯の半分の幅の帯のことです。
少しの慣れで簡単に結ぶことができ、幅は半分でも長さは十分にあるので結び方のバリエーションも豊富です。
個性豊かにカジュアルなシーンをおしゃれに彩ってくれます♪
普段使いのカジュアルな小紋や浴衣に合わせる半幅帯ですが、最近では世間のニーズに合わせて色んなタイプの半幅帯が登場しており、
リバーシブルの半幅帯などがありますので、
普段着のお洋服と同じようにおしゃれを楽しんでいただくことができるようになっています。
日常着としてのお洒落を楽しむ半幅帯。
気軽なお出かけや動きの多い季節の散策にはぴったりの帯です。
半幅帯といっても、浴衣にピッタリな薄くて軽やかなものから、しっとりと上品な雰囲気を纏える高価まものまで、
デザインは豊富にあります。
なりたいイメージにあわせて選んでみましょう。
帯は何本あっても楽しい!
着物一着 帯三本という言葉があるように、一着の着物に合わせられる帯は
複数ご用意いただくなどおすすめです!
例えば「ベージュに色無地を着こなしたい!」と考えた場合には、
春らしい感じの帯 ・ 秋らしい感じ・季節感のない幾何学文様などの帯
のような三種類の帯があれば印象も大きく変わってくるので、大変な衣装持ちに見せることができます。
今回は帯の種類の紹介をさせていただきました。
帯は着物より手軽にご用意いただくことができますので、ぜひ帯の組み合わせのバリエーションも楽しんでくださいね。
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