~着物に関する豆知識、加賀友禅の染めについてご紹介します~
こんにちは!こだわりきもの専門店キステの吉田です。
先日は「京友禅」についての記事を書かせていただきました。
今回は、三大友禅の一つである「加賀友禅」についてお話します!
加賀友禅(かがゆうぜん)とは
加賀百万石の城下町だった金沢市を中心に産する、手描き友禅染。
加賀に古くからある「加賀染(お国染)」や多彩な「御所紋(加賀紋)」に宮崎友禅斎(京友禅の創始者)が糸目糊の技法を加え、現在の加賀友禅が生まれたとされています。
http://www.kagayuuzen.jp/kimono/furisode/
京友禅との違い
【違いその1】図柄
糸目糊を使って防染するのは京友禅と全く同じですが、特徴となるのはその図柄に有ります。
図柄は、北国の友禅師が描く緻密で写実的な草木模様が中心です。
木の葉に小さな穴や墨色の点で「虫食い葉(わくらば)」を描き、花も概して小さ目。
ぼかしは、京友禅とは逆に、模様の端を濃く、中心を淡く染める「先ぼかし」。
色使いも多彩ながら侘びていて、「臙脂」「藍」「黄土」「緑」「紫(または墨)」を基調としこの五色を「加賀五彩(かがごさい)」と呼びます。
さらに、京友禅のように箔置や刺繍、絞りを併用せず、手描きの染だけで仕上げるのが手法です。
【違いその2】作成方法
分業制の京友禅とは異なり、加賀友禅は模様の下絵から彩色までを一人で行うため、作家性の強い染物です。
現在の作家作品には、自然を愛でながら伝統の匂いを残しつつ、大胆なデザインや華やかな色遣いの個性的な作品が多くみられます。
http://www4.city.kanazawa.lg.jp/17003/dentou/kougei/yuuzen/beauty.html
証紙について
加賀友禅の着物には、必ず(協)加賀染振興協会発行の証紙と、伝統的工芸品産業振興協会発行の伝統証紙が貼付してあります。
伝統証紙
http://www.kagayuzen.or.jp/shoushi.html
伝統証紙とは、伝統的工芸品の表示のために、伝統的工芸品産業振興協会が発行する、伝統マークを使用した証紙です。
産地の協同組合が経済大臣の認定を受けた検査方法に従って検査をし、合格した伝統的工芸品にのみ貼付されています。
証紙
http://www.kagayuzen.or.jp/shoushi.html
証紙とは、加賀友禅の関連商品の表示のために、(協)加賀染振興協会が発行する、友禅流しのデザインをあしらった証紙です。
下の欄に作家さんの名前が入ります。
協会の認定を受け、落款を持つ加賀友禅技術者の製品にのみ貼付されています。
まとめ
今回は、写実的な染めが特徴の「加賀友禅」をご紹介してきました。
京友禅と加賀友禅、似てるようで異なる染物。
今度呉服屋さんへ行った時には、もうきっと違いがわかるはずです♪